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読むアニメ技術 『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア (ニュータイプ100%コレクション)』

「ラポートデラックス」や「ロマンアルバム」などアニメ雑誌の出す設定資料系ムック本というのがありますが、「ニュータイプ100%コレクション」は文章量は少なく”読む”というより”見る”ムックと言った方がいいですね。文章は控えめで、作品の引用やイラストが中心のレイアウト。『エヴァ』や『ナデシコ』といったトレンドから『Gセイバー』のようなマニア向けまでフォローしようとしていたようですが、参考文献としてはやはり物足りなさは否めないです。ですから長文インタビューでの細かいお話は載ってないんですけど、初学者の私にはこれくらいがちょうどいいですね。

キャラクターデザイン:北爪宏之

「今回は、作監、キャラクターデザイン、そしてレイアウトチェックという3つの仕事をやりました」
「作監の作業量はそれほど多くなくて、全体の5分の1くらいですね。僕の原画チームは、以前からいっしょにやってきた人たちばかりでしたので、作監作業はやりやすかったです。原画は今回まるでやりませんでした。自分で描いたのは、海外へ発注した部分のリテイクぐらいですね」


作画監督のお仕事はリテイクが中心というのは聞いたことがありますが、原画を全く描かないということもあるんですね。原画が”動き”を作る仕事と考えると、違う仕事として見たほうががいいのかも。

モビルスーツデザイン:出渕裕

「自分のデザインについて、特にここを見てほしいといえる立場にはないんです。つまり、画面における動かし方、見せ方といったものは、作画監督とか演出の方が自信をもって発言すべきテリトリーだと思っていますから。デザイナーの手伝いとして、見た感じの印象を強くしたりする、作品世界の環境づくりの手助けをするという立場なんじゃないでしょうか」
「最近のアニメは、画面の大きさからして映画とは違いますから、デフォルメした処理というのが多いんです。たとえばメカの表面にハイライトを入れて質感を出すような場合とかですね。今回はそういう部分をできるだけ抑えて、オーソドックスな感じでどこまでできるかということに挑戦しました」



領分をわきまえた職人としての矜持が感じられるコメントです。画面の大きさで処理を変えるということですが、このあたりもデザイナーの方が指示されるんですかね、質感などは演出家の仕事のイメージがありますが。

美術監督:池田繁美

「TVシリーズと劇場版では明らかにフレームサイズが違います。そこでレイアウトの仕方とか、画面の見た目のバランスが、かなり違ってくるんですよ。慣れということに限っていえば、TVの方が絞りこみやすいんですが……」
「TVのフレームであれば、この辺を見せてくれ、ここにキャラクターが入るから背景のほうはこの辺をあきらめようかな、っていう判断がつくんですが、今回のようなビスタサイズでは、かなりアキができてしまうんですね。特に、キャラのアップになったときに、周辺まで画面に出てしまうので、うるさくならないようレイアウトするのに苦労しました」
「あとは例のCGです。CGのコロニーの部分と背景をいかに違和感なくかぶせるか?ということですね。CGができあがってから、それに背景をかぶせるとまだ楽なんです。融通がききますから。ところが、今回は逆に背景のほうができあがってから、CGの作業に入るということで、かなり綿密な打ち合わせが必要だったんです」
「この映画で特に見てほしいシーンは、ラストの地球ですね。ここでは、地球を立体で作っているんです。地球儀をはがして手を入れ、それを回してみたんですがこれが実にうまくいきました」


シーンによって、キャラクターを見せるのか背景を見せるのかが変わってくるので、その判断も含めての技術なんですね。単にきれいに描けばいいわけではない、と。
地球儀に関するお話はミスルトゥの中でさんがまとめられています。

逆襲のシャアの地球儀が発見される!

この時の作業は次回作『F91』でのコロニーのミニチュアを作ることにもつながったんでしょう。予算が使える映画だからというのもあるでしょうけど、こういうチャレンジは胸アツですね、”特撮魂”とでも言うんでしょうか(笑)

演出補:川瀬敏文

「具体的にいうと処理でのサポートですね。たとえば、色の暗い画面では、色をどうするかということを決めたり、セリフの長さを調整したりということです。キャラクターの大まかな芝居は、絵コンテの段階で富野監督がつけているわけですが、それを実際に画面に定着していくときの補助作業が、今回の僕の仕事でした」
「TVでは「何をしたか」ということが最低限わかればいいんですが、映画では「どういう芝居をしたか」ということが要求されるんです。それを描くとなると、その芝居が速いのかゆっくりしたものなのか、どこにどれだけの枚数を使ったらいいのか、ということを考えなきゃいけないのが大変でした。「これだけ枚数をかければ大丈夫」と思っていた芝居が全然足りなかったりするんですよ。このへんの感覚をつかむのに苦労しましたね。おまけに大画面でしょう。ある程度枚数を使わないと、モロにそれが出てしまうんです。リテイクも、そうした理由によるものがいちばん多かったと思います」


セリフというものは脚本家だけで作るものではなく、コンテマンや演出家の手が加えられた合作と言っていいわけですよね。有名な脚本家の仕事も、どこまでが一人で書いたものなのかを判断するにはスタッフリストの比較が不可欠になるのでしょうか。
リミテッドアニメの弊害は公開直前の特番で富野監督が指摘していますが、特に、ゆっくりした芝居は作画マンとディスカッションが不可欠ですから、演出家の負担は重くなりますね。原画を海外委託できないのもむべなるかな。

演出補:高松信司

「具体的には、後処理といいますか、セルや背景といった素材が上がってきて、あとは撮影だけという段階になってからが僕の主な仕事でした。1カット1カットの絵が、、セルと背景の完全な形で上がってきてから、それを撮影に出せるようチェックするわけです」
「劇場版はシネスコサイズの画面ですから、TVとは絵づくりからして違うわけです。原画マンの人たちは、ずっとTVをやってきた人ばかりなので、どうしてもTVの時の感覚で描いてきてしまうんですね。だから、メカも人物もアップになりがちで、ひきサイズでのリテイクが多かったんです」


撮影前チェックは枚数を考えると気が遠くなる作業ですね。このように一コマ一コマを確認することを日々繰り返すことが監督業への下積みとして重要なんでしょうね。レイアウトの勉強などもここから始まってるといっていいのかもしれません。
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